Jolt accentuation

閑話休題で日本発の臨床研究の紹介です。
ちょくちょく実例を紹介していきたいと思います。

Uchihara T, Tsukagoshi H. Jolt accentuation of headache: the most sensitive sign of CSF pleocytosis. Headache. Mar 1991;31(3):167-171.

旭中央病院からのprospective observational studyです。
新規発症の頭痛と関連した発熱患者54人を対象に、皆さんご存じのJolt accentuation testを行い、腰椎穿刺の結果のCSF中の白血球の上昇を予測する診断特性を調べました。
結果、CSF中に白血球の上昇を認めた34人中33人でJolt accentuationが陽性、白血球の上昇を認めたかった20人中12人でJolt accentuation陰性。感度は97.1%、特異度60%という結果でした。
つまりJolt accentuation testはCSF中の白血球上昇を予測するのに感度の高い検査で、陰性ならば高い確率でその可能性を除外できるという面白い事実を提示しました。

オンラインではアブストラクトしか入手できないので、このスタディの詳しいMethodに関しては分かりません。どのような患者をenrolしたかがポイントかなと思います。実際の診療現場では頭痛と発熱の両者を伴う患者は珍しくなく、そのような患者全員をenrolしてLPを行ったのか、それとも結果的にLPを行う事になった、あらかじめPretest probabilityの高い集団を対象に調べたのかで、どのような患者を対象にこの研究結果を外挿できるかが異なってきます。

とにかく、この研究はJolt accentuationに注目を集める結果となり、以下のJAMAのレビューでも参考文献として取り上げられています。
Attia J, Hatala R, Cook DJ, Wong JG. The rational clinical examination. Does this adult patient have acute meningitis? JAMA. Jul 14 1999;282(2):175-181.

旭中央病院からは臨床研修としても有名ですが、臨床研究の方もちょくちょく発表していますね。

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

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原文を読んだ者です

原文をひょんなことから手に入れました。

読んでみますと、、、読み落とし、読み違いがあるかも知れませんが。

研究期間中(何故か何ヶ月とか書いてありません)に、頭痛を訴えて旭中央病院(論文ではAsahi General Hospitalになっています)を受診した患者さんが対象です。受診2週間以内に始まった頭痛を訴え、37度以上の発熱のある患者すべてとあります。他の病気で入院している場合でも、同様に頭痛を訴え37度以上の発熱があった場合に対象としたようです。

熱がないとか、その他明らかに髄膜炎でないと言う診断が下せる場合には除外しています。質問に答えられない(Jolt accentuationできませんよね)場合も除外しています。
また明らかに髄膜炎であろうと言う場合も除外しています。

そして著者がすべて診察したようです(大変ですね!)。

全例にLPを施行(拒否した人はいなかったようです)しております。LP陽性は脳脊髄液1cmm中5以上の白血球が存在した場合と定義しています。

Jolt accentuationが陰性でLP陽性だった人はシェーグレン症候群だったようです。

ちなみに、この論文でのLP陽性の感度は30/30=100%、特異度は20/24=83.3%です。

また計算し治すと、髄膜炎と診断(された基準がありませんが)されることに対する感度は100%、特異度は54%です。

これからも色々勉強させて下さい。

有り難うございます

貴重なコメント有り難うございました。
私も原文の内容は耳にしたことはあるのですが、恐らく発熱の基準は38度以上ではないでしょうか。

私も原文を現在取り寄せ中で、確認できたらまた報告致します。
私も知りませんでしたが、この所見は近年注目を浴びてきているみたいで、よく本ブログにもjolt accentuationの検索フレーズで来られる方がいるみたいです。

37度ですよ

原文によれば37度です。発熱と書いたのが語弊があったかも知れません。
頭痛を訴えて体温が37度以上あった患者を対象としたと言う事ですね。
プロフィール

Author:清山 知憲
東京大学を卒業後、沖縄県立中部病院、ニューヨークのBeth Israel Medical Centerでの研修を経て宮崎へ帰還しました。
医師不足問題、臨床研究、総合内科、感染症に興味を持ちます。
ご意見やお問い合わせはこちらまで。
g060032@gmail.com

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