東国原知事

宮崎公立大学の有馬晋作先生の著書を読みました。

東国原知事は宮崎をどう変えたか―マニフェスト型行政の挑戦東国原知事は宮崎をどう変えたか―マニフェスト型行政の挑戦
(2009/09)
有馬 晋作

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東国原執行部がこの二年間で何をしてきたかはだいたい分かりました。
ただ、事実関係の紹介や現状分析が多く、第三者の行政学研究者としての評価、価値判断に乏しい印象があります。
後半に各県の行政評価、早稲田大学マニフェスト研究所、日本青年会議所によるマニフェスト評価が紹介されていますが、有馬先生独自の行政評価、もしくはマニフェスト評価を開陳して欲しかったです。

著書の中で、行政評価の際はアウトプット指標よりもアウトカム指標を設定する方が良いと指摘しています。
アウトプット指標とは、「施策や事業などの行政活動をどれだけ実施したかというもの」で、アウトカムとは「施策や事業などの行政活動の実施によってもたらされた効果を総称したもの」です。

医療でいえば、アウトプットは病院毎のQuality Indicatorとして挙げられるような、肺炎診療における血液培養採取率、早期の抗生剤の投与割合、院内感染対策の実施状況などでしょうか。
アウトカムはいつもJournal Clubで議論している、患者の死亡率、生活の質の改善などでしょう。

当然、プロは結果を求められるわけで、いくら頑張っていてアウトプットを伸ばしています、と釈明してもアウトカムが伴わなければ無意味です。
このアウトカムの評価を行政評価、マニフェスト評価でもばしばし実施して欲しいものです。


そして、この本を通してやはり医療問題に対する東国原執行部、そして行政学研究者の関心の低さを改めて感じます。
250ページにも及ぶ内容の中で、医師不足問題に触れられているのはわずか2,3ページです。

県政におけるあらゆるイシューの中でも、唯一医師不足問題は県北や県南で自然発生的に有志の県民による団体が立ち上がり、署名活動などが展開されてきました。経済活性化、観光産業の再興も重要ですが、医療は県民の生命に直結するからこそこれらの運動に即つながります。
私は医療問題は県政最大のイシューだと考えていますが、政治や行政は単に関心が薄いのか、票につながらないので無視を決め込んでいるのか、よく分かりません。
少なくともここ2年の医療問題における行政評価は0点、もしくはマイナス点でしょう。

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プロフィール

Author:清山 知憲
東京大学を卒業後、沖縄県立中部病院、ニューヨークのBeth Israel Medical Centerでの研修を経て宮崎へ帰還しました。
医師不足問題、臨床研究、総合内科、感染症に興味を持ちます。
ご意見やお問い合わせはこちらまで。
g060032@gmail.com

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